いつも読んで頂きありがとうございます。
前回、生コンクリートの作り方を紹介しましたが作る時に必要な補正を簡単に説明したいと思います。
骨材は水分を含んでいる
生コンクリートを製造する材料はセメント、砂、砕石、水を工場で作成した配合により練り混ぜて製造します。しかし、配合そのままではちゃんとした生コンクリートが出来ません。砂と砕石には水分が含まれているので、その水分の量によって生コンクリートが硬くなったり柔らかくなったりします。
同じ品質の生コンクリートを製造するには補正が必要となってきます。
骨材の表面水率
骨材の水分について、どういう仕組みになっているか図で説明したいと思います。
絶対乾燥状態(絶乾状態)
骨材に水分がまったく無いカラカラの状態。
この状態で練ると水が吸収されて生コンクリートが硬くなってしまいます。
空気中乾燥状態(気乾状態)
骨材の中心に少し水分がある状態。
この状態で練っても水が吸収され生コンクリートが硬くなってしまいます。
表面乾燥飽水状態(表乾状態)
骨材の中は水分が満たされているが表面は乾燥している状態でこれ以上水分が吸収されない状態。この状態で練ると、配合通りの生コンクリートが出来上がります。
生コンクリートの配合は表乾状態を基本として作成しています。
湿潤状態
骨材の中が水分で満たされていて、さらに表面に水分がある状態。
この表面にある水分を表面水といいます。
この状態で練ると水分があるので、補正しないと生コンクリートが柔らかく出来上がります。
実際に工場に運ばれてくる骨材は湿潤状態で運ばれてきますが、砕石は夏場乾燥しやすいので工場で散水して湿潤状態にします。
骨材の表面水率
生コンクリートを製造する時に、この表面水の補正が必要です。
骨材表面の表面水量が何%あるか求めなければなりません。
特に砂は表面水を多く含んでいるので重要です。
測定方法はチャップマンフラスコというもの使用します。
これを式で求めると
これで、砂の表面にある水分が何%あるか計算できます。
EXCELで表を作成しておくと目盛りを読むだけで表面水率が分かります。
※ 表乾密度は骨材試験であらかじめ求めておく。
配合の補正
表面水率が分かりましたので1,000リットル当たりの配合の補正をします。
例として砂の表面水率が4%あった場合、砂の質量を4%増やし、その分、水を減らさなければなりません。
砂の補正
795kg×4%=31.8kg
砂全体に含まれいる水分量が分かったので、その分増やします。
795kg+31.8kg=826.8≑827kg
水の補正
砂に含まれている水分量を引きます。
174kg-31.8kg=142.2≑142kg
砂の表面水量が32kgなので、そのまま練ると水が32kg多いことになるので柔らかい生コンクリートになるのが分かると思います。なので補正が必要なのです。
砂以外に砕石も測定方法は違いますが補正が必要です。
最後に
いかかでしたでしょうか。チンプンカンプン ですね。ただ表面水がどのようなものかは分かったと思います。
今は数値を操作盤に入力すると自動計算してくれるので自分で計算することは殆どありませんが、室内で試験練りをやる場合は計算が必要です。