皆さん、コンクリートは何で出来ているか知っていますか?
コンクリートは工場でセメント、水、砂、砕石をミキサで練り混ぜて生コンクリートと
して出来上がります。ここで、コンクリートの性質を左右する混和剤という物も一緒に
入れて練り混ぜています。この混和剤にはコンクリートに微細な空気を混入させる役割
も持っています。それでは、コンクリートに空気が何故必要か簡単に説明したいと思い
ます。
コンクリートに空気量が何故必要か
コンクリートの空気量とは?
先ほど述べたように、生コンクリートは工場でミキサで練り混ぜられますが、その時に
巻き込まれる空気があるため、ある程度の空気がコンクリートの中に含まれます。コン
クリートに含まれる空気の量を空気量と呼び、コンクリート中には2つの空気量が存在
します。
エントレインドエア
混和剤などにより、コンクリート中に生成される、微細で独立し、均一に分散した球形
の空気砲です。球形な空気砲のため、ベアリング効果により扱いやすい生コンクリート
になります。また、凍害に対しても水が氷になる時に膨張してコンクリートにひび割れ
等が発生しないように微細な空気がクッション代わりとなって防いでくれます。しかし
、空気量が多すぎるとコンクリートの強度に影響が出るので、JISで定められた
4.5±1.5%の範囲内で製造することが決められています。
エントラップエア
コンクリート中の空気量の役割
エントレインドエアが入ることによって、一番重要なのは対凍害です。ここで凍害の仕
組みを説明したいと思います。
凍害は特に寒冷地でコンクリート中の水分が凍結と融解が繰り返すことによって、収縮
と膨張によりクラックが発生する現象です。
空気量で何故、凍害防止になるのか?
凍結による膨張圧を緩和するための空気砲(未凍結の水の逃げ場)が多く存在すれば、
凍害を防ぐことができます。すなわち、混和剤で生成されるエントレインドエアにより
コンクリート中に理想的な大きさの独立気泡が理想的な間隔で存在することで水の逃げ
道を作り凍害を防止できるということです。
最後に
コンクリート中のエントレインドエアによって凍害防止になりますが、これだけで完全
な防止対策にはならず、使用する材料や、配合によっても対策しなければならいことを
頭に入れておかなければなりません。奥が深いです!