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【生コン豆知識】冬に作る生コンクリートを凍結させないためには

 

いつも読んで頂きありがとうございます。

北海道など寒冷地では真冬でも生コンクリートを製造します。外気温がマイナスになる

地域でどのように製造しているのか簡単に説明したいと思います。

【生コン豆知識】冬に作る生コンクリートを凍結させないためには

 

 

何も対策しないと生コンクリートは凍ります。

生コンクリートはセメント、水、骨材を練り混ぜて作りアジテータートラックで運搬し

ます。しかし、外気温がマイナスになる冬に製造する場合、そのままだと運搬途中で生

コンクリートが凍ってしまったり、打設後の養生期間中に凍結する可能性があります。

この時期に使用する生コンクリート「寒中コンクリートと言います。

寒中コンクリートの定義

日平均気温が、4℃以下になることが予想される期間

建築分野には他の定義もあります。

 

配合設計

セメントは普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントを使用。

水セメント比は60%以下ですが用途によって変わります。

空気量は4.5%以上が望ましく凍結融解の対策にもなります。

建築分野においては配合補正の方法が2つあります。

  • コンクリートの打ち込みから材齢28日までの予想平均気温によって定める
  • 積算温度によって定める

 

土木は高炉セメントB種から普通ポルトランドセメントへ変更したりしますが、呼び強

度は変わりません。しかし、建築は呼び強度を補正したりと面倒です。

 

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各材料を温める

生コンクリートを凍らないようにするにはセメント以外の水と骨材を温めます。

寒冷地のほとんどの工場にはボイラー設備があり、ボイラーの蒸気によって水を温水に

したり、凍結した骨材を蒸気で溶かします。

生コンプラント 蒸気配管

練り水を温水にする

寒冷地では水の水槽はコンクリート製でこの地下水槽に水を溜める工場が多いです。

冬期間は地下水槽に蒸気をいれて温水にします。またプラント内の練り水用タンク(地

上水槽)にも蒸気を入れて温水にします。

温水の温度は製造する生コンクリートの温度が決められた範囲内になるよう調整しなけ

ればなりません。計算でも算出できますが長年の経験で温度設定します。

外気温や骨材の状況にもよりますが20℃~40℃の温水で練り混ぜます。

◆寒中コンクリート生コンクリートの温度◆

 

 

 

骨材を加熱する

必要に応じて骨材を加熱します。

外気温が0℃以下になると水分を含んでいる骨材の表面や内部は凍結しているので蒸気

で溶かす必要がありますが設備によって蒸気の入れ方は違います。

冬期間中の骨材ヤードは雪が骨材に積もらないようブルーシート等を掛ける必要があり

豪雪地域だとまずシートに積もった雪を除雪しなければなりませんので大変です。

密閉式の骨材サイロだと除雪の必要は無いですが蒸気設備は必要です。

 

 

その他の対策

現場によっては打設後に0℃以上を何日も確保しながら養生することが出来ない場合が

あります。こういう場合は「耐寒促進剤」という混和剤を使用します。

耐寒促進剤を使用することで生コンクリートの凍結を防ぐことが出来ますが、一定期間

0℃以上確保する必要があるのと生コンクリートの温度を5℃~17℃にする必要がありま

す。温度が高すぎると異常凝結や温度差によってひび割れが発生しやすいので、低い温

度で打設するのが望ましいと言われています。

普通の配合の場合は温度が必要ですが耐寒促進剤配合は温度を低くしなければならない

ので同じ日に出荷する場合は温水の温度管理が大変です。

 

 

 

最後に

雪が多い地域だと除雪だけで1時間以上かかり、それから出荷準備になるので朝は夏場

より2時間以上前に出勤しないとダメな時もあります。一晩で雪が40~50cm以上積もる

時には工場の敷地にも入れない状況になるので重機を入口の近くに置いて帰るのが普通

です。現場によっては冬でも毎日生コンクリートを使うところ(トンネル工事など)も

あるので雪が多い地域の工場は大変です。

 

 

 

 

 

 

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