いつも読んで頂きありがとうございます。
技術系の仕事をしていると、ごく稀に施工要領などに書いてある通りにならない場合が
あります。だいぶ古い話ですがこれは経験上、絶対にこうならないという事態が起こっ
た時の話です。興味がない方はスルーでいいです。
橋脚などで使う生コンクリートの配合を設計する
試験練り
橋脚などに生コンクリートを出すときに事前に試験練りをやって配合を決める場合があ
ります。当時、某道路会社の試験課から2~3人とゼネコン(施工業者)立ち合いで実施
しました。某道路会社にはコンクリート施工要領というのがあって、この中に記載して
ある方法で配合を決めていきます。
現在は工場側の配合を確認するだけでもOKとなっていますが、それでも何種類という配
合を試験練りで確認しなければなりません。
最適な細骨材率
細骨材率と言っても分からないと思いますが、生コンクリートは水、セメント、砂、砂
利(砕石)を練り混ぜて作ります。その中の砂と砂利の割合を言います。これは事前に
工場側で試験練りをやって決めて、当日に本当に最適かどうかを確認します。
細骨材率を3~5%低くしたり高くしたりして補正すると曲線ができるのですが、その頂
点を最適な細骨材率として決定するのが基本です。
※スランプとは生コンクリートの柔らかさの単位です。
曲線にならない場合がある
普通は細骨材率を振ると曲線になりますが曲線にならない場合があります。これは配合
のバランスによるもので、経験上絶対に上記のような曲線になりません。直線になる場
合もあります。
ただ、上記のような曲線にならないと配合の合格がでません。
ゼネコン側も不機嫌です。
しかし、当時の施工要領には上記の曲線の方法しか記載されていませんでした。
納得しない試験課
こちらが説明しても納得しない試験課です。
あくまでも施工要領に記載しているのが正しいと言います。こちらは何年も経験した結
果を言っているので何回やっても同じだと言いいます。
こちらもプライドがあるので引きません。←こういうプライドは良いと思う
結局、何回やっても結果は同じでした。
まあ、配合がこうだとこうなると教えてあげると、多分納得はしてないと思いますが、
とりあえず合格はもらいました。
そしてどうなった?今は?
いつからかは分かりませんが、現在は曲線にならない場合の方法も記載されています。
たぶん他の会社でも同じことがあったのか、某道路会社自体で検証したのかは分かりま
せん。ただ、何でもそうですが書いてある通りにやれば必ずそうなるとは限りません。
例外もあるのです。みなさんも何かと経験があると思います。
まあ、今でも頭が固い人はいますけどね。