いつも読んで頂きありがとうございます。
私の実家は漁師ですが兄が継いでいます。今の船は兄が継いでから2隻目ですが、みな
さん船はどうやって輸送するかご存じでしょうか。
陸送する？それとも回航？
船を陸送する場合の制限
モーターボートや小さな漁船などは陸上輸送で運べますが、大きな漁船はどうでしょう
か？大きな荷物を運ぶのには法律で定められた基準以内だと何の規制もなく輸送できま
す。ここで、一般的な制限値を見てみましょう。
制限値を超えると通行許可が必要になります。長さなど制限値を超える場合は前後に誘
導車を配置しなければなりません。また、特殊車両も使用しなければなりません。制限
値を超える船を輸送する場合はトラックに載せるときと降ろすときののクレーン代が別
にかかったり、場所によっては狭くてクレーンが使えない場所もあります。費用もそれ
なりにかかるのでデメリットが多いです。
大きな漁船は回航で運ぶ
大きな漁船は長さや重さなどを考えると、陸送より回航の方が格段に費用がかかりませ
ん。なので、いくら時間がかかっても回航して持ってくるのが多いです。私の実家の1
隻目は新造船で造船所から約1時間かけて回航して持ってきています。そして2隻目は中
古で購入し、これも回航してますがこれは12時間以上かかっています。
回航するにも問題がある
回航するにも、船舶免許を初めて取得した人には推薦しません。同乗者にベテランがい
れば問題ないですが、一人の場合は回航ルートにもよりますが途中で何かあったら大変
です。
実家の回航記録
ここで、実家で2隻目の船を購入した時の話をしたいと思います。船を購入して次の日
に回航して持ってくるというので私は実家に呼ばれています。ここで、何となく呼ばれ
た理由は把握しています。
船を売ってくれた漁師は小樽の人で、小樽から私の実家の港まで回航して約12時間かか
ります。夜中の12時に出航し昼の12時に着く予定。
回航ルートと段取り
お分かりでしょうか？この4人を誰が小樽まで連れていくかを！
誰かに車で小樽まで連れて行ってもらわないとな
全員が私の方を向いている。
小樽まで送って、出港の段取りして見送って帰ってきたら朝の4時くらいか。まてまて
俺、明日の仕事朝6時だぞ
ここで親父が笑いながら一言
お前、若いころ遊んで寝ないで会社行ってたから大丈夫だろ
ここで、その話を出しますか。
しかも何の理由にもなってないし、もう若くないんですよ。しかし、親父も帰り一人じ
ゃ可哀そうだから一緒に行くと言い出した。船も見たいし、ただ行きたいだけだとは分
かっていましたけどね。
回航日当日
夜の10時半に小樽に向かい、着いたのが12時半。相手方の船主に船の説明を聞いたりし
たので出港したのは午前1時半。約12時間かかるのでドラム缶5本の燃料も積んでます。
出港を見届け小樽を出発して家に着いたのが午前4時前。会社も結局寝ないで出勤！
さて、船の方はというと、無事に航海していると思ったら、天候悪化で途中で中止にな
り、近くの港に避難したという。結局、日を改めてということになり、後日無事に港に
着きましたがこういうことがあるので経験が多い漁師や船舶免許を持っている人でなけ
れば回航は難しいということです。
まとめ
一般に小型船などは陸送が多いのかもしれませんが、費用などを考慮すると、陸送+回
航という選択肢もあります。近くの港まで 陸送してそこから回航するといった感じです
が、遊漁船と漁船の違いはあると思いますが何にしても準備などよく調べてから輸送方
法を考えた方がいいと思います。実家の地元の漁師で青森から北海道に回航してきた人
もいますが、津軽海峡はやはり大変だったらしいです。
